投資信託の平均利回りとは?|基礎知識から商品まで徹底解説

投資信託を始めてみようと思っている場合、

「投資信託の平均利回りって何?」
「投資信託の平均利回りってどのくらい期待できるの?」

といった疑問を持つこともあるのではないでしょうか。

投資信託の平均利回りとは、投資した金額に対して、運用期間中1年あたり、どのくらいの収益を上げたかを示す割合のことです。

この投資信託の平均利回りの相場は3~11%です。相場に3~11%と幅があるのは、投資信託を構成する資産の種類によって下記のように異なるからです。

【投資信託の構成資産の分類別 平均利回り】

分類・カテゴリー

集計対象

ファンド数

平均利回り%

(3年リターン)

2022年4月現在

国内株式型(大型ブレンド)

341

9.99

海外株式型(グローバル・除く日本)

203

17.24

国内債券型(中長期債)

131

-0.76

海外債券型(グローバル・除く日本)

216

3.65

国内REIT型

147

5.55

海外REIT型(グローバル・除く日本)

53

11.5

参考:ウェルスアドバイザー「カテゴリー別のリスクリターングラフから探す」

上の表のように、投資信託の平均利回りについては、高い利回りのものも低いものもありますが、高い利回りほど高いリスクを抱えることになるため、注意が必要です。

利回りとリスクの考え方については本文で解説します。

利回りの高さだけで投資信託を選ばずに、リスクとのバランスをよく考えて選ぶようにしましょう。

▼この記事で分かること

投資信託の平均利回りとは
投資信託の平均利回りの目安
2022年投資信託の平均利回りランキング
投資信託の平均利回りを見る際の注意点
投資信託を選ぶ際のポイント
投資信託で失敗しないためのコツ

最後まで読むことで、実際の投資信託の平均利回りや平均利回りを見る際の注意点を確認することができます。

また、投資信託を選ぶ際のポイントや投資信託で失敗しないためのコツも紹介するので、ぜひ最後まで目を通して、投資信託選びに役立ててください。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

目次

投資信託の平均利回りとは投資金額に対する1年あたりの収益の割合

冒頭で紹介した通り、投資信託の平均利回りとは、投資した金額(元本)が、1年あたりどのくらいの収益を上げたか、その割合を%で表したものです。

投資信託の平均利回りは、投資信託を選ぶ際に「将来どのくらいの利益が得られるのか」を判断するために使える指標です。

投資信託を適切に選ぶためにも、投資信託の平均利回りの意味や考え方を正しく理解しておくようにしましょう。

ここでは投資信託の平均利回りの基本的な内容について、次のポイント順に解説します。

<投資信託の平均利回りの解説ポイント>

投資信託の平均利回りとは?
投資信託の平均利回りは、「単利」でなく「複利」で考える
投資信託の平均利回りの相場は3~11%

詳しく見ていきましょう。

1-1. 投資信託の平均利回りとは

繰り返しになりますが、投資信託の平均利回りとは、投資した金額(投資元本)に対する、投資運用期間中1年あたり収益の割合(%)のことです。

投資信託の平均利回りの計算式について、「収益」の内訳を詳しく書くと下記の通りとなります。

実際の投資信託の平均利回りを計算する際には、「収益合計」に分配金や売却損益(基準価格の増減)を含み、手数料や税金は差し引きます。

投資信託の平均利回りの具体的な計算例を見てみましょう。

例えば、年初に投資信託に100万円投資し、1年後に1万円の分配金を受け取り、手数料1千円を支払い、101万円で売却したと仮定します。その場合は次のような平均利回りになります。

【平均利回りの計算例】

【年初】

投資元本:100万円

【1年後】

分配金:1万円

売却損益:売却価格101万円 - 投資元本100万円 = 1万円

手数料:1千円

税金:運用収益の20.315% = (分配金1万円 + 売却益1万円 - 手数料1千円) × 0.20315 = 3860円

平均利回り(%)

= 収益(分配金 + 売却損益 - 手数料 - 税金) ÷ 投資元本 × 100

= (1万円 + 1万円 - 1千円 - 3860円) + 100万円 × 100

= 1.51% 

上記のケースの投資信託の平均利回りは、1.51%となります。

1-2.投資信託の平均利回りは複利で考える

平均利回りの考え方には、「単利」と「複利」がありますが、投資信託の場合は、通常「複利」で考えられます。

「単利」と「複利」の意味はそれぞれ下記の通りです。

  • 単利:投資元本に対してのみ利息を計算する方法。利益が生じても、利益を運用資金に含めない。
  • 複利:投資元本と利益に対して利息を計算する方法。元本に対して利益が生じた場合、元本と利益の双方に利息がつく。

「単利」と「複利」の大きな違いは、生じた利益を次の年の運用に回すかどうかです。

同じ利回りの場合、生じた利益を運用に回す「複利」の方が大きな利益増加が期待できます。

下記の図からも分かる通り、長期になればなるほど、「単利」と「複利」の効果の差は大きくなります。

【単利と複利の効果】

投資信託では、長期投資の効果をいかすため、「複利」で運用されるのが原則です。分配金などの利益を投資元本に合わせて再投資されます。

このため投資信託の平均利回りも、「複利」で考えるようにしましょう。

■平均利回り(複利)の場合の計算式
参考までに、複利の場合の平均利回りの計算式を記載すると下記の通りとなります。

証券会社のサイトなどで、投資利回りについて「年率で換算しています」とある場合はこの複利のケースを想定して計算されているため注意しましょう。

1-3. 投資信託の平均利回り(運用期間3年)の相場は3~11%

次に投資信託の平均利回りの相場について解説します。

2022年4月時点の、投資信託の平均利回り(3年)の相場は3~11%です。

相場に幅があるのは、投資信託を構成する金融商品のカテゴリーによって平均利回りの水準が異なるためです。

下記に、投資信託の組入資産のカテゴリー別に平均利回り(直近3年間)をまとめたものを記載します。

【投資信託の組入資産のカテゴリー別 平均利回り】

分類・カテゴリー

集計対象

ファンド数

平均利回り%

(3年リターン)

2022年4月10日時点

国内株式型(大型ブレンド)

341

9.99

海外株式型(グローバル・除く日本)

203

17.24

国内債券型(中長期債)

131

-0.76

海外債券型(グローバル・除く日本)

216

3.65

国内REIT型

147

5.55

海外REIT型(グローバル・除く日本)

53

11.5

参考:ウェルスアドバイザー「カテゴリー別のリスクリターングラフから探す」

(※1:手数料・税金は考慮していません。※2:大型ブレンドは組入銘柄の時価総額平均が大型株に属し業績数値と市場価格から市場平均に近いと判断されるファンド。)

ここでの投資信託の平均利回りは、直近1年間だけの平均利回りを見ると変動が大きいため、直近3年間の平均利回りを参照しています。

各カテゴリーのファンドの平均利回りをそれぞれ見てみると、極端に高い「海外株式」と、極端に低い「国内債券」を除くと、相場は3~11%となっています。

比較的安全な資産と言われている国内債券型や海外債券型など、債券型の投資信託の平均利回りは▲1%~4%と低い水準です。

一方、国内株式や海外株式といった株式型の投資信託の平均利回りは、12%~17%と高い状況です。特に為替変動の影響を受けやすい海外株式は特に高い平均利回りとなっています。

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【2022年最新版】投資信託の平均利回りランキング

実際に投資信託の平均利回りを見てみましょう。

ここでは、2022年4月10日時点の投資信託の平均利回りランキングを紹介します。

ランキングは、投資信託を構成する金融商品のカテゴリーごとのランキングで、紹介するラインナップは下記の通りです。

平均利回りの値については、直近1年間の平均利回りは変動が大きいため、それぞれ直近3年間の平均利回りで算出しています。

それでは順に見ていきましょう。

2-1. 【全カテゴリー】投資信託平均利回りランキング上位10位

全カテゴリーの投資信託平均利回りのランキング上位10位は下記の通りです。

【投資信託の平均利回りランキング」全カテゴリー合計

順位

ファンド名

カテゴリー

平均利回り%

(3年)

純資産額

(百万円)

1

(三菱UFJ国際)

eMAXIS Neo バーチャルリアリティ

海外株式・北米(F)

50.83

10,081

2

(大和)

iFreeレバレッジ NASDAQ100

株式ブル型

49.75

179,843

3

(大和)

iFreeNEXT FANG+インデックス

海外株式・北米(F)

40.9

19,931

4

(大和)

FANG+インデックス・オープン

海外株式・北米(F)

40.9

14,534

5

(野村)

野村 世界業種別投資シリーズ(半導体)

海外株式・グローバル・含む日本(F)

40.4

36,994

6

(大和)

iFreeActive EV

海外株式・グローバル・含む日本(F)

37.19

6,619

7

(大和)

iFreeレバレッジ S&P500

株式ブル型

33.06

21,503

8

(野村)

野村 クラウド関連株式投信B(H無)

海外株式・北米(F)

32.91

22,467

9

(三井住友DS)

グローバルAIファンド

海外株式・北米(F)

31.91

386,804

10

(野村)

(NEXT FUNDS)NASDAQ-100(H無)連動型上場投信 『愛称:NF・米国株NASDAQヘッジ無ETF』

海外株式・北米(F)

31.65

49,551

参考:ウェルスアドバイザー 「ファンドランキング‐リターン 」

2022年4月時点で投資信託は約6000本ありますが、ランキングはそのうちの約5000本で集計されています。

上位10以内には、海外株式を主な投資対象とした投資信託が並びます。

第1位「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」は、米国の金融商品取引所に上場している世界各国のバーチャルリアリティ関連企業の株式で構成される商品です。平均利回りは50%を超えています。

また、第2位「iFreeレバレッジ NASDAQ100」、第7位「iFreeレバレッジ S&P500」は米国先物・株式のブル型ファンドです。

ブル型ファンドとは、先物やオプション取引を活用してレバレッジ(てこの原理)を効かせ、投資資金の何倍もの投資効果を目指す投資信託です。ブル型ファンドは株価指数などのベンチマークと連動して動く「インデックスファンド」などと比べて値動きが大きく、大きなリターンが期待できる一方で、リスクも大きいファンドです。

投資信託の上位10位はリターンが大きいものの、リターンも大きいため、注意が必要です。

2-2. 【国内株式型】投資信託平均利回りランキング上位5位

国内株式型の投資信託平均利回りのランキング上位5位は下記の通りです。

【投資信託の平均利回りランキング」国内株式型

順位

ファンド名

カテゴリー

平均利回り%

(3年)

純資産額

(百万円)

1

(野村)

情報エレクトロニクスファンド

国内大型グロース

25.91

16,093

2

(フィデリティ)

フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド 『愛称:Jテック+』

国内大型グロース

25.16

11,658

3

(野村)

日本ブランド株投資(アジア通貨)毎月

国内大型グロース

22.14

1,446

4

(アセマネOne)

企業価値成長小型株ファンド 『愛称:眼力』

国内小型グロース

21.69

36,807

5

(野村)

小型ブルーチップオープン

国内中型グロース

19.32

12,504

参考:ウェルスアドバイザー 「ファンドランキング‐リターン 」

「国内株式型」の投資信託の平均利回りランキング(上位5位)の平均利回りのレンジは19%~25%です。「海外株式型」ほどではありませんが、平均利回りの水準は高いと言えます。

上位1位や2位はエレクトロニクス・テクノロジーといった成長力が期待される銘柄で構成されたファンドが並びます。上位3位~5位も、小型株のうち企業の成長力が期待される銘柄で構成されたファンドとなります。

「国内株式型」の投資信託では、成長性に注目した銘柄構成のファンドの利回りが高い傾向です。

2-3. 【海外株式型】投資信託平均利回りランキング上位5位

海外株式型の投資信託平均利回りのランキング上位5位は下記の通りです。

【投資信託の平均利回りランキング」海外株式型

順位

ファンド名

カテゴリー

平均利回り%

(3年)

純資産額

(百万円)

1

(三菱UFJ国際)

eMAXIS Neo バーチャルリアリティ

海外株式・北米(F)

50.83

10,081

2

(大和)

iFreeNEXT FANG+インデックス

海外株式・北米(F)

40.9

19,931

3

(大和)

FANG+インデックス・オープン

海外株式・北米(F)

40.9

14,534

4

(野村)

世界業種別投資シリーズ(半導体)

海外株式・グローバル・含む日本(F)

40.4

36,994

5

(大和)

iFreeActive EV

海外株式・グローバル・含む日本(F)

37.19

6,619

参考:ウェルスアドバイザー 「ファンドランキング‐リターン 」

「海外株式型」の投資信託の平均利回りランキング(上位5位)の平均利回りのレンジは37%~50%です。非常に高い水準と言えます。

第1位は、バーチャルリアリティ関連企業の株式で構成される投資信託、上位2位・3位には、米国上場の注目テクノロジー企業(フェイスブック、アマゾンなど)を集めた「NYSE FANG+指数」をベンチマークとするインデックス型の投資信託となっています。

利回りの高い「海外株式型」投資信託の場合は、値下がりなどの変動リスクも高いことに注意するようにしましょう。

2-4. 【国内債券型】投資信託平均利回りランキング上位5位

国内債券型の投資信託平均利回りのランキング上位5位は下記の通りです。

【投資信託の平均利回りランキング」国内債券型

順位

ファンド名

カテゴリー

平均利回り%

(3年)

純資産額

(百万円)

1

(アセマネOne)

One ニッポン債券オープン

国内債券・中長期債

3.07

4,123

2

(アセマネOne)

みずほ 日本債券アドバンス(豪ドル債券型) 『愛称:ちょっとコアラ』

国内債券・中長期債

1.07

3,946

3

(明治安田)

ノーロード 明治安田 社債アクティブ

国内債券・中長期債

0.77

2,647

4

(大和)

日本物価連動国債ファンド

国内債券・物価連動債

0.39

6,115

5

(明治安田)

明治安田 日本債券オープン(年1回決算型) 『愛称:しあわせ宣言(年1回決算型)』

国内債券・中長期債

0.31

8,651

参考:ウェルスアドバイザー 「ファンドランキング‐リターン 」

「国内債券型」の投資信託の平均利回りランキング(上位5位)の平均利回りのレンジは0%~3%です。平均利回りの水準はかなり低めと言えます。

「国内債券型」は利回りは低いものの、価格変動のリスクも小さく、中長期では安定的な収益が望めます。

2-5. 【海外債券型】投資信託平均利回りランキング上位5位

海外債券型の投資信託平均利回りのランキング上位5位は下記の通りです。

【投資信託の平均利回りランキング」海外債券型

順位

ファンド名

カテゴリー

平均利回り%

(3年)

純資産額

(百万円)

1

(UBS)

UBS 世界CBファンド米ドルヘッジコース

海外債券・転換社債(F)

11.8

7

4,999

2

(野村)

PIMCO・米国ハイ・イールド(ペソ)毎月

海外債券・ハイイールド債(F)

11.16

2,780

3

(野村)

グローバルCB投信(アジア通貨)毎月

海外債券・転換社債(F)

10.99

3,075

4

(アセマネOne)

MHAM USインカム毎月コース(H無)

海外債券・ハイイールド債(F)

10.43

3,665

5

(三菱UFJ国際)

米国ハイ・イールド債(通貨選択)豪ドル(毎)

海外債券・ハイイールド債(F)

10.37

1,919

参考:ウェルスアドバイザー 「ファンドランキング‐リターン 」

「海外債券型」の投資信託の平均利回りランキングの上位5位の平均利回りのレンジは10%~11%です。平均利回りの水準は、「国内債券型」より高く、「国内株式型」より低い水準と言えます。

第1位には、世界の転換社債等を投資対象とした投資信託、第2位には米ドル建ての高利回り事業債を投資対象とした投資信託が並んでいます。

2-6. 【国内REIT型】投資信託平均利回りランキング上位5位

国内REIT型の投資信託平均利回りのランキング上位5位は下記の通りです。

【投資信託の平均利回りランキング」国内REIT型

順位

ファンド名

カテゴリー

平均利回り%

(3年)

純資産額

(百万円)

1

(東京海上)

東京海上 J-REIT(通貨選択型)ルピア(毎月)

国内REIT

12.28

3,938

2

(東京海上)

東京海上 J-REIT(通貨選択型)豪ドル(年2回)

国内REIT

10.36

1,125

3

(東京海上)

東京海上 J-REIT(通貨選択型)豪ドル(毎月)

国内REIT

10.33

14,975

4

(東京海上)

東京海上 J-REIT(通貨選択型)米ドル(毎月)

国内REIT

9.76

6,047

5

(東京海上)

東京海上 J-REIT(通貨選択型)米ドル(年2回)

国内REIT

9.71

3,818

参考:ウェルスアドバイザー 「ファンドランキング‐リターン 」

「国内REIT型」の投資信託の平均利回りランキングの上位5位の平均利回りのレンジは9%~13%です。ランキング上は、「海外債券型」投資信託と似たレンジの平均利回りと言えます。

上位を占めるのは、全てJ-REITを投資対象とし、為替変動の影響を抑制するための「為替ヘッジ」を行う金融商品です。

第1位は、円建て資産をインドネシアルピアで、第2位・第3位はオーストラリアドルで為替ヘッジを行なうファンドです。

2-7. 【海外REIT型】投資信託平均利回りランキング上位5位

海外REIT型の投資信託平均利回りのランキング上位5位は下記の通りです。

【投資信託の平均利回りランキング」海外REIT型

順位

ファンド名

カテゴリー

平均利回り%

(3年)

純資産額

(百万円)

1

(パインブリッジ)

PB グローバル・テクノロジー・インフラ 『愛称:未来インフラ』

海外REIT・特定地域

17.53

33,323

2

明治安田)

米国リート・インカム・プレミアム・F(毎月) 『愛称:スリーピース』

海外REIT・特定地域

16.82

4,897

3

(大和)

ダイワ 米国リート・ファンドII(年1回決算)

海外REIT・特定地域

16.25

5,395

4

(大和)

ダイワ・US-REIT(年1回決算)H無

海外REIT・特定地域

16.09

11,731

5

(大和)

ダイワ・US-REIT(毎月決算)B為替H無

海外REIT・特定地域

16.06

744,922

参考:ウェルスアドバイザー 「ファンドランキング‐リターン 」

「海外REIT型」の投資信託の平均利回りランキングの上位5位の平均利回りのレンジは16%~17%です。「海外REIT型」投資信託の利回りは、「国内REIT型」の投資信託より水準が高く、「国内株式型」の投資信託より水準が低いと言えます。

第1位には、テクノロジー・インフラ(データセンターなど)に関する不動産投資信託証券(REIT)および株式を投資対象としたもの、第2位には、米国REITの中でも高い配当利回りを示すREITを投資対象とした投資信託が並んでいます。

2-8. ランキングは証券会社や投資情報サイトで確認できる

投資信託の平均利回りランキングは、証券会社や投資情報サービス会社のWebサイト上の投資信託検索画面などで確認することができます。

投資信託の平均利回りランキングが確認できるサイト例

各webサイトで平均利回りランキングを確認する場合は、下記点に注意するようにしましょう。

<平均利回りランキングを確認する際の注意点>

  • 平均利回りは「リターン」「トータルリターン」という項目名で掲載されている。
  • ほとんどの場合、平均利回りには手数料・税金が考慮されていない。
  • 集計対象期間は1カ月から確認できますが、1カ月や1年の場合は、変動が大きいため、3年以上で見るのがオススメ

実際に使う際には、上記3点についての各サイトでの扱いを確認して使うようにしましょう。

注意点について詳しくは、「4. 投資信託の平均利回りを見る時の注意点」を参照してください。

投資信託の平均利回りの高さだけで選ぶと投資方針とずれる可能性が高い

これから投資信託をしようという人の多くは、「株式投資と違って、投資信託では、中長期的に、ほうっておいても安定的な収益を得られるようにしたい」という投資方針を持っているのではないでしょうか。

投資信託は、プロに運用を任せ、長期にわたって投資をすることで、株式投資に比べてリスクを少なく手間をかけずに安定的な収益をあげることができます。

しかし、利回りの高さだけで投資信託を選んでしまうと高いリスクを抱えてしまい、「手間をかけずに安定的に収益を得たい」という方針と大きくずれる可能性があるため注意しましょう。

投資信託の中にも、ハイリターン・ハイリスクの商品はあります。ハイリスクの場合は安定的な収益を得にくいほか、大きなリスクが生じた際にポートフォリオの見直しなどの対策が必要になるなど手間も発生します。

下記は、投資信託に含まれる金融商品のカテゴリー別のリターン・リスクの分布表です。

海外株式などは大きな利回り(リターン)が期待できる一方で、価格変動リスクや為替変動リスク、カントリーリスクなどの大きなリスクを抱えることにもなります。

ハイリターンのものはリスクも高くギャンブル性が高まります。またハイリターンの投資信託は手数料などの運用コストも高い傾向です。

中長期で安定した収益を手堅く得るためにも、利回りの高さだけで投資信託を選ぶのではなく、リターンとリスクのバランスを考えて選ぶようにしましょう。

投資信託の平均利回りを見る時の注意点

投資信託の平均利回りの意味や、実際の値を紹介しました。また、投資信託を選ぶ際に平均利回りの高さだけで選ぶと大きなリスクを背負うこともお伝えしました。

ここではさらに、投資信託の平均利回りを見る際に注意したい点について解説します

利回りの水準を見誤ることのないように、ここで紹介する注意点をしっかり把握するようにしましょう。

平均利回りを見る際に注意したい具体的な点は下記の通りです。

  • 平均利回りが一時的に高いだけでなく継続して高いかどうかチェックする
  • 投資信託の平均利回りが高い場合はリスクも高いことに注意する
  • 投資信託の平均利回りは「リターン」「トータルリターン」と同じ意味で使われることがある
  • 実際には手数料・税金を引く必要がある
  • 「平均利回り」と「利率」「騰落率」「パフォーマンス」とを混同しない

詳しく見ていきましょう。

4-1. 平均利回りが一時的に高いだけでなく継続して高いかどうかチェックする

投資信託の平均利回りを見る時には、平均利回りが一時的に高いだけでなく継続して高いかどうかチェックするようにしましょう。

平均利回りは、投資信託の基準価額が一時的に高騰するだけで、高くなることがあります。一時的な基準価格の変化の影響で平均利回りを見誤らないように、最低でも過去3年分のデータは見るようにしましょう。

特に、AIや5G、オリンピックといったその時々で話題になったテーマに関する企業に投資をする「テーマ株」の投資信託などは、一時的に注目されて利回りが高くなるケースがあります。

平均利回りの高い投資信託については、継続して高い利回りの水準であるかどうか確認するようにしましょう。

4-2. 投資信託の平均利回りが高い場合はリスクも高いことに注意する

平均利回りの高い投資信託は、同時にリスクも高い点に注意しましょう。

例えば、投資信託の組入資産のカテゴリー別にリターンとリスクの値を表にすると下記の通りです。

【投資信託の組入資産のカテゴリー別 リターンとリスク比較表】

国内債券

海外債券

国内REIT

海外REIT

国内株式

海外株式

リターン

(平均利回り)

1.92

6.81

19.17

22.3

17.77

20.74

リスク

(標準偏差)

-0.76

3.65

5.55

11.5

9.99

17.24

参考:ウェルスアドバイザー 「ファンドランキング‐リターン 」

※国内株式は大型ブレンド(組入銘柄の時価総額平均が大型株に属し業績数値と市場価格から市場平均に近いと判断されるファンド)

表の「リターン」は直近3年間の平均利回りの数値で、「リスク」は価格の振れ幅(リスク)を数値化した標準偏差の値です。

各カテゴリーのリターンとリスクを見ると、リターンの大きいものほど、リスクも大きいことが分かります。平均利回りが高い場合はリスクが高いため、銘柄選びの際には注意しましょう。

4-3. 投資信託の平均利回りは「リターン」「トータルリターン」と同じ意味で使われることがある

投資信託の平均利回りは、「リターン」もしくは「トータルリターン」と同じ意味で使われる場合があります。

もちろん厳密な意味は異なりますが、平均利回りが「リターン」を表す代表的な指標であるため「リターン」と呼ばれることがあります。

また、投資信託の平均利回りを計算する際の収益に「総合利益(トータルリターン)」を使うことから、便宜上「トータルリターン」という言葉で「平均利回り」を指すこともあります。

証券会社のサイトや投資情報サイトで「平均利回り」の情報が「リターン」「トータルリターン」として表記されている場合もあるため、利用の際には注意しましょう。

4-4. 実際には手数料・税金を引く必要がある

投資信託の平均利回りは、証券会社のサイトや投資情報サイトで確認できますが、ほとんどの場合、手数料や税金の値は反映されていません。

実際の利回りを考える際には、手数料や税金を差し引く必要があるため、想定より値が小さくなる点に留意しておきましょう。

手数料や税金について詳しくは「5-3. コスト(信託報酬)の計算も忘れずに行う」を参照してください。

4-5. 「平均利回り」と「利率」「騰落率」「パフォーマンス」とを混同しない

平均利回りと、よく混同される用語に「利率」「騰落率」「パフォーマンス」があります。

「利率」「騰落率」「パフォーマンス」は、投資商品を評価する指標という点で「平均利回り」と似ていますが、実際にはそれぞれ内容が下記のように異なります。

【「平均利回り」と「利率」「騰落率」「パフォーマンス」との違い】

平均利回り

投資金額に対する年間収益合計(利息・売却益など)の割合。

利率

額面金額に対して毎年受け取る利子の割合のこと。例えば債券などの場合で、額面金額100万円に対して利率5%というと、毎年5万円の利子が付く。投資信託の場合は、あらかじめ毎年の利益が決まっているわけではないため使わない。

騰落率

ある一定期間における最初と最後において、価格がどれだけ変動したかを表す割合。例えば、年初に100万円だった投資信託が年末に105万円まで評価額が上がると「騰落率 = (105万円 - 100万円) ÷ 100万円 = 5%」となる。平均利回りと異なり、分配金や手数料、税金は計算に含まない。

パフォーマンス

ベンチマークとなる基準と比較して利回りが高いか低いかを測る。ベンチマークには例えば東証株価指数(TOPIX)などの指数が使われる。利回りがベンチマークより高ければ「パフォーマンスが良い」、低ければ「パフォーマンスが悪い」と評価する。

平均利回りで銘柄検索をしたりランキングを見たりする際に、誤って「利率」「騰落率」「パフォーマンス」を使わないように注意しましょう。

投資信託を選ぶ際のポイント

投資信託の平均利回りの見方・使い方や注意点が一通り把握できたことと思います。

しかし、ここでいきなり平均利回りを使って投資信託を選び始めるのは無謀とも言えます。先に収益目標を立てて、それに合う投資信託を選んでいくようにしましょう。

以下では、目標の立て方をはじめとして、投資信託を選ぶ際のポイントを解説します。

投資信託を選ぶ際のポイント

  • 先に目標利回りを決める
  • 目標利回りに見合う平均利回りの投資信託のカテゴリーを選ぶ
  • コスト(信託報酬)の計算も忘れずに行う

詳しくは次の通りです。

5-1. 先に目標利回りを決める

投資信託を選ぶ前に、先に目標利回りを決めましょう。

目標利回りを決めるためにも「いつまでに」「いくら」ほしいのか目標を立てることが大切です。

例えば、

  1. 現在30才。35年後の65才までに、老後資金2000万円ほしい
  2. 現在30才。10年後の45才までに、教育資金700万円ほしい

といった具合にです。

目標金額と積立期間が決まれば、資産運用のシュミレーションツールを使って、

  • 毎月の積立額
  • 目標利回り

を定めることができます。

資産運用シュミレーションは、例えば下記の金融庁のサイトでも検討可能です。

例えば、上記「現在30才。35年後の65才までに、老後資金2000万円ほしい」の場合、金融庁の資産運用シュミレーションサイトを使って、毎月の積立金額と目標利回りを出すと下記の通りとなります。

現在30才。35年後の65才までに、老後資金2000万円ほしい場合

〈資産運用シュミレーション結果>

  • プラン1……毎月の積立額:34,321円   目標利回り:3%
  • プラン2 ……毎月の積立額:24,031円   目標利回り:5%
  • プラン3……毎月の積立額:13,420円   目標利回り:8%

目標利回りは、毎月の積立金額に応じて定めることができます。無理のない積立金額に応じて目標利回りを設定するようにしましょう。

5-2. 目標利回りに見合う平均利回りの投資信託を選ぶ

目標利回りを決めたら、目標利回りに見合う平均利回りの投資信託を選びます。

目標利回りの水準によって、株式型の投資信託がいいのか債券型の投資信託がいいのか、狙うべきカテゴリーがある程度決まってきます。カテゴリーは資産クラスともいいます。

まず目標利回りの水準によって下記のように資産クラスを決めるようにしましょう。

<例>

  • 目標利回り3%の場合 ⇒ 平均利回り4~5%の水準を狙う。海外債券型・国内REIT型など
  • 目標利回り5%の場合 ⇒ 平均利回り6~7%の水準を狙う。海外債券型・国内REITなど
  • 目標利回り8%の場合 ⇒ 平均利回り9~10%の水準を狙う。海外債券型・国内REIT型・国内株式型など

資産クラスを選んだら、その資産クラス内で平均利回りを使って、投資信託を選ぶようにしましょう。

5-3. コスト(信託報酬)の計算も忘れずに行う

投資信託の場合は、次のような手数料や税金を支払う必要があるため、計画を立てる際に忘れずに計算に入れておくようにしましょう。

■手数料について

手数料については、下記のようなものがかかります。

投資信託にかかる手数料3つ

販売手数料

購入時に支払う費用。購入金額の1〜3%が目安。無料の場合もある。

運用管理費用(信託報酬)

運用中に毎年支払う費用。純資産総額の0.1〜2%が目安。

信託財産留保額

売却時に支払う費用。基準価格の0.1〜0.5%が目安。無料の場合もある。

このほかにも、成果に応じて成功報酬を支払う場合や、組み入れている株を売買する際に売買委託手数料がかかる場合もあります。詳しくは証券会社の各投資信託の紹介ページや、「投資信託説明書(目論見書)」で確認するようにしましょう。

投資利回りが高い投資信託であっても手数料が高い金融機関で買うと、その分利益が小さくなるため、手数料が安い金融機関を選ぶようにしましょう。ネット系証券会社の場合、取り扱い投資信託の数も多い上に、手数料も安い傾向のため、オススメです。

■税金について

投資信託の利益にかかる税金は、20.315%です。

内訳は、20.315%=所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%です。本来の所得税は15%ですが、2037年まで復興財源確保法により0.315%が上乗せされています。

以上のような手数料と税金を忘れず計算に入れましょう。

投資信託で失敗しないために

最後に投資信託で失敗しないためのコツについてお伝えします。

投資信託で失敗しないために気を付けたい点は次の2点です。

<投資信託で失敗しないためのコツ>

  • 複数の投資信託を組み合わせてリスクを分散する
  • 取れるリスクの範囲で学びながらすすめていく

詳しくは次の通りです。

6-1. 複数の投資信託を組み合わせてリスクを分散する

投資信託においても、ひとつの金融商品に偏ることなく、複数の投資信託を組み合わせてリスクを分散することがオススメです。

投資信託は、

  • 中長期で投資すること
  • コツコツ積立をして取得単価を抑えること
  • リスクを分散すること

ことで大きなリターンが得られると言われています。

投資信託は、10年以上などの長期間にわたって運用し続けることでリターンが安定してきますし、コツコツと定期的に一定金額の積立を行なうことで投資信託の取得コストも平準化され抑えることができます。

分散については、そもそも投資信託自体が、いろいろな金融商品を組み合わせた分散投資の効果を持つものですが、さらに投資信託を組み合わせることでリスクを分散させることをオススメします。

すでにお伝えした通り、投資信託の中でも資産クラスなどによって平均利回りの水準が異なります。平均利回りの水準が高いものはリスクも高い傾向です。

目標の利回りを確保するためには、利回りが高くリスクの高い商品を組み入れるケースもあるかと思います。そうした際にリスクを分散させるためにも、タイプの異なる投資信託を組み入れるようにしましょう。

6-2. 取れるリスクの範囲で学びながらすすめていく

投資信託は月額100円~数千円といった少額からチャレンジできる投資です。かなえたい目標、☓☓年で☓☓%くらいという方針にそって着実にすすめるためには、取れるリスクの範囲でコツコツと学びながらすすめていくのがオススメです。

投資信託はプロが運用してくれますが、リターンやリスクを見きわめて投資信託を選んだり、自分のポートフォリオを見直したりするのは自分です。

投資信託選びや、ポートフォリオの見直しで失敗しないためにも、正しい知識を効率的に学ぶことがオススメです。

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まとめ

投資信託の平均利回りについて紹介しました。

投資信託の平均利回りとは、投資した金額に対して、運用期間中1年あたり、どのくらいの収益を上げたかを示す割合(%)のことです。

投資信託の平均利回りの相場が3~11%であることや、実際の投資信託の平均利回りのランキングも紹介しました。

投資信託の平均利回りにはとても高いものもありますが、投資信託を選ぶ際に平均利回りの高さだけで選ぶと投資方針と大きくずれることがあるため気を付けましょう。

投資信託の平均利回りを使う際におさえたいポイントは次の通りです。

  • 平均利回りが一時的に高いだけでなく継続して高いかどうかチェックする
  • 投資信託の平均利回りが高い場合はリスクも高いことに注意する
  • 投資信託の平均利回りは「リターン」「トータルリターン」と同じ意味で使われることがある
  • 実際には手数料・税金を引く必要がある
  • 「平均利回り」と「利率」「騰落率」「パフォーマンス」とを混同しない

また、投資信託を選ぶときは次の点にも気を付けましょう。

  • 先に目標利回りを決める
  • 目標利回りに見合う平均利回りの投資信託のカテゴリーを選ぶ
  • コスト(信託報酬)の計算も忘れずに行う
  • 複数の投資信託を組み合わせてリスクを分散する

投資信託は少額からチャレンジできる投資のため、無理のない金額から積み上げて学びながらすすめることがオススメです。

以上の情報を、ぜひ理想の投資信託を選ぶために役立ててください。

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