不動産投資って実は危険?メリットとデメリットを現役大家が解説!

不動産投資って実は危険?メリットとデメリットを現役大家が解説!

 

kabuo-r.png かぶお

最近、不動産投資の不穏なニュースを見ることが増えてきたけど、実際のところはどうなのかな?

ネットニュースとかを見てると、悲惨なことを話している人が多いよね。結局「投資」である以上はメリットもあればデメリットもあるんだ

suzuki_01.png 鈴木
kabuo-r.png かぶお

では今日はそれについて教えてちょ!

いま、ビジネスパーソンの間で不動産投資が流行っています。それと同時に「投資の失敗で破産した」などの悲惨な話もよく聞きます。

この記事は、実際のところ不動産投資は危険でデメリットだらけなのか、それともメリットのほうが多い投資なのか、読者が正しく判断できるように書かれています。

この記事では、民泊、戸建て投資、海外不動産など、様々な不動産投資を経験し、現在も国内外で5棟保有する不動産オーナーの著者が、不動産投資のメリットとデメリットを詳しく解説してきます。

この記事でわかること
・不動産投資のメリット、デメリット
・不動産投資の失敗事例
・不動産投資を成功させるポイント

 

不動産投資」の定義

kabuo-r.png かぶお

そもそも「不動産投資の定義とは?!

良い質問だね!「不動産投資」といっても「J-REIT」から「マンション投資」までたくさんの種類があるんだけど、今回は、「ローンを使った戸建て・アパート等の不動産の投資」に絞ってお伝えするよ。たぶん、皆さんが、巷でよく聞くのもこのタイプの不動産投資だと思うんだ。

suzuki_01.png 鈴木

 

ローンを使った不動産投資」について、ピンと来ない方のために、ごく簡単に解説します。

投資家が不動産を購入したい時、普通は自分だけでは資金が用意できません。そこで、銀行などからのローンを借りて不動産を買います。それを賃貸に出して収益を得ていき、長年かけてローンを返済していきます。

この時に、【賃料収入=返済額でトントンだと、あまり面白くありません。なぜなら手元に1円も残らないからです。

kabuo-r.png かぶお

確かに毎月ちょっとはお小遣いが欲しいなぁ〜

そこで、【賃料収入>返済額】になれば、投資家は毎月のキャッシュフロー(収入)を得ていくことができます。さらに、将来ローンを支払い終えれば、大きなキャピタルゲイン(売却益)も得ることができます。

ただし、大きな資産を借金で買うというのは、それなりのリスクを伴うことも知っておきましょう。

より深く不動産投資の基本について学びたい方は、こちらの記事もご一読ください。

投資家直伝!不動産が資産形成に向いている5つの理由と失敗を回避する方法

それでは次章からは早速、不動産投資のメリットを見ていきましょう!

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

1章 不動産投資のメリット

kabuo-r.png かぶお

難しいことはいいから、手っ取り早く不動産のメリットを教えてよ!

急かすな〜 では、なるべく分かりやすく不動産のメリットをお伝えするね!

suzuki_01.png 鈴木

不動産投資は、安定した収益が期待できることや、元々の手持ち資金が少ないところから資産が増大することなど、多くの人が想像する以上に様々なメリットが挙げられます。

【不動産投資のメリット
1.安定収入が手に入る
2.資産が増加する
3.レバレッジ効果がある
4.節税効果がある
5.管理の仕組みが整っている
6.生命保険の代わりになる

それでは早速1つずつ見ていきましょう!

1-1.安定収入が手に入る

不動産投資の最初のメリットは、安定した収入が得られることです。

冒頭でも述べた通り、不動産投資では、物件からの賃料を受け取ることによって、毎月一定の家賃収入を得ることができます。

家賃収入は、不動産オーナーにとっては安定した収入源となり、この収入で退職後の生活費や子供の教育費、老後の資金などにすることができます。

例えば、ある不動産オーナーが都心の賃貸マンションを所有している場合を考えてみます。

1室あたりの賃料が10万円で、物件が10室ある場合、1ヶ月あたり100万円の家賃収入を得ることができます。管理費や税金等で3割ほどが出ていくと考えても、手残りは月70万円です(ローンが終わっている前提)。これは魅力的な収入ですよね?

このように、不動産投資においては、物件の所有者である投資家が、入居者から家賃を受け取ることで、安定的な現金収入を得ることができるのです。

このように不動産投資は、長期的な視野で見ると、安定的な現金収入を得るのに適しています。

1-2.資産が増加する

不動産投資2つ目のメリットは、資産が増加する可能性が大きくあることです。

不動産は、土地や建物などの物理的な資産であるため、需要と供給のバランスが取れている限り、価値が下がることは少なく、長期的には価値が上昇する傾向にあります。

例えば、以下の4つは、どれもそれぞれ不動産投資の資産が増大するケースです。

① 将来値上がりするエリアの土地を買う

今後需要が高まると予想されるエリアの土地を購入したとします。その後、そのエリアの需要が高まり、周辺施設や交通アクセスが整備されるなどして、その土地の価値が上昇すれば、不動産投資家はその土地を自分が買った時よりも、より高い値段で売却して利益を得ることができます。

② 自分で不動産価値を高める

また、不動産オーナーが物件を所有し、建物の改装やリノベーションなどを行い、物件の付加価値を高めれば、その物件の価値が上昇することが期待できます。

③ ローンを返済し終える

さらに単純な方法です。ローンを払い終えてしまえば良いのです。たとえ、物件の価値が半分に落ちてしまっていたとしても、その物件を売却すれば、売却額分の資産は得られることになります。これについては次の「レバレッジ効果」の部分でより詳しく触れます。

④ インフレで資産が増える

不動産も「モノである以上は、インフレにより価値が上がっていきます。

日本は残念ながら、バブル崩壊以降はデフレの一途を辿りました。また日本独自の事情も相まって、不動産市場も長い停滞期を経験しましたが、それが今後もずっと続く保証はどこにもありません。世界中でインフレが加速する中、インフレに対する保険として不動産を持つというのは一定の有効性があると考えることができます。

このように様々な「資産増加シナリオ」を見てきました。

ご存知の通り、日本は人口減少社会ですので、多くの場所では、上がるよりも下がるリスクのほうが大きいでしょう。投資家は市場の動向や物件の状態を常に監視し、適切な判断をしていくことが必要です。

しかし、長期的に見た場合には、不動産投資は資産の増加が期待できる魅力的な投資のひとつであると筆者は考えています。

1-3.レバレッジ効果がある

レバレッジ効果を活用することで、不動産投資家はより大きな収益を得ることができます。レバレッジ効果とは、自己資本を少なくして、ローンによる借り入れを活用して投資を行うことで、投資の利回りを上げる効果のことです。ちなみに「レバレッジ=テコの原理」のことです。

例えば、以下の図のAさんとBさんのケースをご覧ください。

Aさんは自己資金300万円だけで、残りは借り入れ2700万円(=レバレッジ有り)で物件を購入しています。

Bさんは同じ物件を、全額自己資金の3000万円(=レバレッジ無し)で購入しています。

Aさんの場合、物件から得られる手残り120万円は自己資金300万円をベースにしています。つまり投資収益率(利回り)はなんと40%にもなります! 

一方、Bさんの場合、同じ物件から得られる手残り240万円は自己資金3000万円をベースにしています。そのため、投資収益率は8%。Aさんに比べてガクッと利回りが下がるのです。

このように、レバレッジ効果を活用すれば、より少ない自己資金でより多くの物件を購入し、収益を上げることができます。

また、所有物件の数を増やす = リスク分散効果にもつながります。

不動産の利回りについてのより詳細は、以下の記事をご覧ください!
押さえておきたい不動産投資の利回りと最低ラインの目安を大公開!

suzuki_01.png 鈴木

1-4.節税効果がある

不動産投資の経費計上で、サラリーマンであっても所得税を節税できる可能性があります。不動産所得には様々な控除できる経費があるため、時期やタイミング次第では赤字を出すことができるのです。

「え、せっかく不動産で儲かると思ったのに赤字を出すの?!」

と思ったそこのあなた、この記事を投げ出すのはもうちょっと待ってください(笑)

経費と言われるものの中には「現金の支出を伴わない」ものもあるのです。

その代表が「減価償却費です

減価償却とは、実際には支出していない「資産の劣化」を一定額(または割合)ずつ、経費計上していく方法です。「減価償却費」はその形状された各費用のことです。

では、パソコンを減価償却する場合を例にとってみましょう。パソコンの減価償却年数は「4年と決められているので、不動産投資用に20万円で買ったパソコンであれば、年5万円が経費になる、という感じです。

この原則は、不動産の建物や設備(エアコンやガス器具など)にも適用されるので、実際には不動産投資で現金収入があるのに、税務上は赤字になるいうことがあり得るのです。

不動産オーナーの中にはこのように、経費をうまく組み合わせ、サラリーマンの給与所得を節税している方もいるようです。

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ただし節税に関しては、必ず税理士などのプロに相談しようね!

1-5.管理の仕組みが整っている

不動産投資は、時間と手間がかかりにくい投資です。その理由は管理の仕組みが整っていて、手数料さえ払えば管理会社に全て丸投げしてお願いすることだって可能だからです。

個人的に、管理に丸投げはオススメしませんが、やれないことはないということです。

管理会社にもよりますが、家賃収入の5%〜ぐらいから管理はお願いできますので、遠方の物件や、本業に忙しい不動産投資家は、積極的に管理会社を使うと良いでしょう。

1-6.生命保険の代わりになる

不動産投資は生命保険の代わりにもなります。

ここでは生命保険の代わりとなる「団体信用生命保険」の仕組みから解説します。

団体信用生命保険とは、ローンの返済中に契約者が死亡してしまった場合に、残りのローンを保険金で完済してくれる仕組みの保険です。

不動産の所有権はそのまま被保険者の家族(遺族)が引き継ぎます。遺族は負債のない不動産を相続することができ、家賃収入もそのまま入り続けるため、「保険代わりになる」といわれるのです。

他にもある不動産投資のメリット

ここまで不動産投資のメリットを見てきましたが、いかがだったでしょうか?

不動産投資には、今日紹介した以外にも投資や節税に使えるメリットがたくさんあります。今回は6つに絞りましたが、興味を持たれた方は、ぜひご自身でも勉強してみることをオススメします。

また、著者が書いた過去の不動産投資に関する記事も載せておきます。

次の章では不動産投資の「デメリット」を見ていきましょう!

2章 不動産投資のデメリット

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ここまではメリットだけを見てきたけど、不動産投資にはどんなデメリットがあるの?!

不動産投資のデメリットを一言で表すなら、レバレッジで利益効率が良くなる分、当初の想定が外れた場合に、大損するリスクがあることなんだ。ただしこれは不動産だけじゃなくてどんな投資にも当てはまることだよ。あとは、日本特有の少子高齢化という事情も、不動産投資にはデメリットだよね。

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なるほどね、じゃあその辺のところ、詳細に教えてちょ!

1章で見てきたように、不動産投資は多くの人々にとって、資産形成の手段の一つとしてとても有効なものです。しかし、同時にいくつかのデメリットもあります。筆者が考える不動産投資のデメリットは、以下の3つです。

【不動産投資のデメリット】
1.購入と維持に大きな費用がかかる
2.空室リスクや入居者トラブルのリスクがある
3.市況変動や天災によるリスクがある

それではまずひとつずつ見ていきましょう!

1-1.購入と維持に大きな費用がかかる

不動産投資は、高額な初期投資が必要になります。銀行からローンが引けることは大きな強みですが、それは同時に「大きな負債を背負うこと」に他なりません。

不動産の購入には、物件価格(土地と建物)の他にも諸費用(仲介手数料、印紙税、登録免許税など)がかかります。

では試しに首都圏の中古マンション価格の推移を見てみよう!

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出典:公益財団法人東日本不動産流通機構

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うわぁ〜、この10年で平均2500万円から4300万円に、一気に値上がってるね!

ここ10年間、首都圏のマンション価格は毎年高騰してきたんだ。今後のことは分からないけど、とにかく不動産が高い買い物になってしまったことは間違いないね(汗)

suzuki_01.png 鈴木

不動産は買うときだけが高いわけではありません。購入した後も、物件の管理・メンテナンス費や共用部の光熱費(一棟建物の場合)など手間とお金ががかかります。

戸建てや木造アパートであれば5年〜10年に1回程度、マンションなら10年〜15年に1回程度、大規模修繕が発生し多額の費用が不動産オーナーに掛かります。

また空室が発生すれば、次の募集のためには中を原状回復しなければなりません。キレイな状態なら10万円程度ですが、欠陥があれば50万円以上の出費になります。その他、入居者募集や対応など、多くの作業が必要になり、それらを管理会社に任せるならその分も経費が掛かるのです

このように、不動産投資を始めてから運営していくには、それ相応の費用が掛かることは間違いありません。その分、得られる利益も大きいのですから、一経営者になったつもりで経費を受け入れる心が必要になってくるでしょう。

1-2.空室リスクや入居者トラブルのリスクがある

不動産には空室リスクと入居者トラブルのリスクがつきまといます。

「空室リスクとは、その名の通り、空室が長く続き家賃収入が入らないことです。

これは、不動産オーナーが家賃収入をローンの返済に充てている場合には大きな問題です。その空室が埋まらなければ、毎月毎月赤字を垂れ流すことになってしまいます。これはオーナーが自分の貯金や給料から補填してカバーすることしかできません。

もう一つの、不動産投資におけるリスク要素は、「入居者トラブルです。

入居者は家賃収入の源泉であり、大切なお客様ですが、中にはトラブルを起こす入居者も発生します。

例えば、「家賃滞納「ゴミ問題「騒音問題」「孤独死」などがその一例です。

家賃滞納はもっての外ですが、ゴミや騒音も激しい入居者がいると、周りの入居者が出ていってしまったりなど、オーナーの死活問題につながるリスクがあります。また、退去時に物件の修繕や清掃が必要になる場合もあり、これらの費用はオーナー負担となってしまうことが多々あります。

これらの問題を事前に見通すことは、プロの不動産投資家であっても相当難しいと言われています。

1-3.市況変動や天災によるリスクがある

不動産投資には、市況変動や天災などによる資産の損失リスクがあります。

「市況変動とは、経済や社会情勢の変化、不動産供給量の増減、政策金利の変化など、様々な理由のことですが、いまの日本人の私たちに分かりやすい例で言えば:

・少子高齢化
・ウイルス蔓延
・景気の悪化
・供給過剰

などが挙げられます。

「ウイルス蔓延」や「景気の悪化」のように、直接は不動産に関係しないものもあれば、「少子高齢化」や「供給過剰」のように直接不動産価格に悪影響を及ぼすものまで、様々あります。

では、市況変動や天災などは、不動産オーナーにどんな悪影響を及ぼすのでしょうか?

例えば、少子高齢化」や「供給過剰」によって、将来、エリアによっては不動産のニーズが減り、不動産価値が下がることが予想されます。また、入居者が減れば空室増加・家賃減収に悩まされる投資家が増えてしまいます。

津波や地震等の天災の場合はどうでしょうか?天災により家が破壊されてしまえば、しばらくは補修のために貸し出すことができず、収支がマイナスの状態が続きます。

このように市況変動や天災などは、個人の力量だけではどうにもならないことが多い、という点に注意が必要です。このような事態が起こっても困らないためには、入っている保険を見直したり、財務体質を整えておく努力が必要になってきます。

3章 不動産投資の失敗事例から学ぶ

kabuo-r.png かぶお

不動産投資の失敗事例があれば教えてほしいんだよ!

今回は素人投資家がやりがちな2つの失敗事例を見てみよう!

suzuki_01.png 鈴木

 

【不動産投資の失敗事例】
事例① 相場より高く買ってしまう
事例② 悪徳業者とサブリース契約をしてしまう

事例① 相場より高く買ってしまう

最初の失敗例は、相場よりも高く買ってしまうことです。

不動産は特に高い買い物ですから、購入する価格に気をつけないと100万〜数百万円などは平気で損してしまいます。

ただし、「損して得とれ」という言葉もある通り、長期的に保有することでやがてプラスになるのが不動産投資です。一時的なマイナスを心配し過ぎて、いつまでも良い物件を買えないでいたら、将来得られるであろう大きな利益を逃してしまいます。

高値づかみが問題になるのは、主に以下2点に当てはまるときです:

・毎月のキャッシュフローが出ない(またはマイナス)
・売却時に残債がカバーできず赤字になる

特に問題になるのは売却のときです。元々の買った値段が高過ぎると、売る時に買い手が現れない危険性があります。かといって仕方無しに値引きして売れば、残債分が賄えずに借金を抱える可能性があるのです。

以下で実際に起こった例を紹介します。

5000万円の不動産を1億円で売った「かぼちゃの馬車事件

数年前に問題になった「かぼちゃの馬車」事件のシェアハウスは、ニュースでも報道されたほど悪質な実例です。

この事件では、シェアハウス販売業者は5000万円程度の価値の家を、1億円で販売していたと言われています。

このような法外な価格差の物件を買ってしまえば、月々のキャッシュフローも大きなマイナス(現金の持ち出し)になり、経営が立ち行かなくなることは誰の目にも明らかでした。

実際に多くのサラリーマン大家である被害者が莫大な借金を背負うことになり、中には自殺者まで出すという悲しい結末に至りました。

幸いなことに、被害者団体がスルガ銀行を相手取った訴訟で勝訴し、債務が帳消しになるという判決が出ました。このような判決が下ることは前代未聞なことであり、被害者たちは幸いであったと言うべき他ありません。

このケースでは被害者達に救済措置があったとはいえ、この事件は氷山の一角であり、やはり法外に高そうな物件は避けるべきなのです。

事例② 悪徳業者とサブリース契約をしてしまう

今も不動産業界を騒がせているのが、「悪徳業者とのサブリース問題」です。

サブリースはオーナーと管理会社(販売会社のことが多い)が結ぶ賃貸契約のことです。

サブリース自体は違法ではなく、むしろオーナーからすれば、空室の有無に関わらず安定した収入を得られるので、特に不動産投資初心者や大家業に時間を割けないオーナーにとっては大きなメリットがあります。

また、サブリースを行う業者としてのメリットは以下になります。

① 満室経営ができれば、業者としても安定収入になる
②「サブリース保証」とセットにすることで、物件の販売がしやすくなる

①でうまくいけば問題ありません。

問題が起きやすいのが②のケースです。その場での契約を取りたいあまり、実現不可能なサブリース提案が横行し、業者側の赤字が発生していたのです。

赤字ではビジネスが続きませんので、契約当初は「30年間家賃保証」と言っていた業者が、たった数年で手のひらを返すように家賃減額を求めて、大家とのトラブルに発展するケースがあります。

業者には「〇〇年の家賃保証」を守る義務はない

 

kabuo-r.png かぶお

え?!家賃は「30年間の保証」だったんじゃないの?

ほとんどのサブリース契約において、更新時に家賃は見直し可能となっているんだよ。まずは契約書の内容をよく読んでおこう。また、たとえ契約書の内容と相反することでも、借地借家法を盾に家賃変更をゴリ押ししてくる業者もいるみたいだよ。

suzuki_01.png 鈴木

日本の借地借家法では、借主の保護が強いため、たとえ「30年間の家賃保証」と謳っていても、借主である業者はそれを履行する義務はないのです。

それを知らなかったオーナーが「賃料引き下げや「中途解約」をされるというトラブルが続いています。

さらに悪質な業者の場合、なんと賃料を払わないまま会社ごと消えてしまうというケースもあります。

このようなサブリース問題はここ数年で深刻化し、さまざまな事件がニュースやSNSで取り上げられました。その中には、上場している大手有名企業も含まれており、今も世間の注目を集めています。

業者は必ずしも味方とは限らない

今回の2つの例から学べるのは、業者は必ずしも我々投資家の味方だとは限らないということでしょう。お客さんに心から寄り添っている誠実な業者さんもたくさんいるだけに、一部の悪徳業者により業界全体が怪しい目で見られるのは残念なことです。

現実としてこのような業者がいる以上、私たち投資家は自衛策を講じる必要があります。

最後の章では、不動産投資を成功させるポイントを見てきましょう。

4章 不動産投資を成功させるポイント

それでは、最後に不動産投資を成功させるポイントをお伝えします。

suzuki_01.png 鈴木

【不動産投資を成功させるポイント】
① 勉強・リサーチをする
② 大家コミュニティ・仲間を作る
③ 常に財政状況に気を配る

それでは一つずつ解説していきましょう!

① 勉強・リサーチをする

最初にオススメするのは「勉強・リサーチ」をするです。

遠回りに感じるかもしれませんが、「急がば回れ」の言葉どおり、いきなり投資から始めず、じっくり基礎を身につけるのが先決です。

不動産投資で成功するためには「行動力」が必要になってきますが、知識を学ぶことで、あなたは強い自信と確信を持って行動できるようになるはずです。

勉強には本やネットがオススメ

勉強・リサーチにはネットや本が良いでしょう。どちらも基礎的な知識を養うには、コストパフォーマンスが素晴らしいです。

しかし、本やネットの知識には限界があるので、ある程度の知識が身についたら、次に紹介する仲間づくりもオススメします。

勉強や仲間づくりの方法については、以下の記事で詳しく書いていますので、気になる方はどうぞ!

現役大家が教える!効率的な不動産投資の勉強法と低リスクで始める方法

② 大家コミュニティ・仲間を作る

大家コミュニティの一番のメリットは、他の大家さんからの生の声がリアルで聞けることです。これは本やネットでは得られない経験となるでしょう。

また初心者が抱きがちな悩みについて、多くの先輩大家さんが親身になって相談に乗ってくれることでしょう。みんな始めは同じところからスタートしているからこそ、初心者の気持ちが分かるのです。

筆者もまだ物件を1つも持っていないときから、こうした大家コミュニティに顔を出し、先輩大家さんからアドバイスをもらって投資に踏み切ることができました。

最初は敷居が高く感じるかもしれませんが、勇気を出して飛び込んでみると、意外に皆さんが手とり足とり教えてくれることでしょう。

ぜひモチベーション維持のためにも、最低ひとつは大家コミュニティに所属することをオススメします。

大家の集まるコミュニティ
食と大家業、2本のテーマを柱としたコミュニティです。
大家業を始めている方、始めようと情報収集を開始されている方、
初心者の方、どなたでもご入会いただける大家の会です。
詳細は下記ホームページ、SNSをご覧ください。

③ 常に財政状況に気を配る

不動産投資をするならば、常に財政状況に気を配っておきましょう。

不動産投資をしていると、想像以上の収入が入ることもあれば、想像以上の支払いを経験することもあります。

普段は想像もつかない金額を扱うことになるのですから、支出には特に気を配らなければなりません。

財政状況がまずいことになりやすいのが、以下のような場合です。

・空室が続き家賃収入が得られない時
・思ってもいなかった大きな出費が発生した時
・デッドクロスの時

「デッドクロス」は、税務上は黒字が出ているのに、収支上は赤字となる現象のことです。これは減価償却で計上できていた赤字が終わるタイミングで訪れ、急なキャッシュの支出を伴うことから「デッド」=死と名付けられています。デッドクロスにより「黒字倒産」してしまう人もいるぐらいです。

一番の対策は現金を多く持っておくこと

デッドクロスにせよ、その他の出費にせよ、財政破綻を避ける一番の対策は、現金の手持ちを潤沢にしておくことです。

最初のうちは苦労することも多いでしょうが、誰もが通ってきた道です。

励まし合う仲間を探しながら、諦めずに頑張ればきっと道は開けます。

そのための助けが必要でしたら、ぜひ私たちにもご相談ください。

それではここまでお読み頂きありがとうございました!

5章 まとめ

本日のまとめです。

皆さんの不動産投資の成功のために、この記事が少しでも役立てれば嬉しく思います。

【不動産投資のメリット】
1.安定収入が手に入る
2.資産が増加する
3.レバレッジ効果がある
4.節税効果がある

5.管理の仕組みが整っている
6.生命保険の代わりになる

【不動産投資のデメリット】
1.購入と維持に大きな費用がかかる
2.空室リスクや入居者トラブルのリスクがある
3.市況変動や天災によるリスクがある

【不動産投資の失敗事例】
事例① 相場より高く買ってしまう
事例② 悪徳業者とサブリース契約をしてしまう

【不動産投資を成功させるポイント】
① 勉強・リサーチをする
② 大家コミュニティ・仲間を作る
③ 常に財政状況に気を配る

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