【仕組み・メリットを図で解説】分配金なしの投資信託があるのはなぜ?

この記事を読んでいるあなたは、分配金が無い投資信託の仕組みやメリットなどについて疑問があるのではないでしょうか。

投資信託には、購入した投資家に対し運用によって得られた収益を還元するお金、いわゆる「分配金」があるものと無いものがあります。

運用によって得られた収益を分配金によって投資家へ還元するのは当然では?と思うかもしれませんが、分配金が無い投資信託にもメリットがありオススメできます。

本記事は、※生徒数日本一のお金の学校「グローバルファイナンシャルスクール」監修のもと、
※2021年日本トレンドリサーチ調べ

・分配金が無い投資信託の仕組み
・分配金が無い投資信託のメリット、デメリット
・分配金が無い投資信託がオススメなのはどんな人か

などの知識をご紹介していきます。

ぜひ本記事をご一読いただき投資信託の分配金に関する知識を身につけてください。
この記事を読んだあなたが実際にご自身にあった投資信託を選択できるようににアドバイスしていきます。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

分配金が無い投資信託の仕組み

本章では分配金が無い投資信託の仕組みについて解説していきます。

投資信託とはそもそも、大勢の投資家から資金を集め、プロの運用者が株式や債券などに投資を行って運用する商品です。そして、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて還元されます。投資信託の分配金とは、運用によって得られた収益を決算ごとに投資家に分配するお金のことです。

まず、最初に分配金が「ある」投資信託の仕組みを見てみましょう。下記をご覧ください。

分配金がある投資信託の仕組み

では、分配金が無い投資信託では、投資家に還元されるはずの分配金はどうなるのでしょうか?
答えは、「決算時に還元するはずの分配金をそのまま運用元本に乗せる」ということになります。
下記は分配金がない投資信託のイメージ図です。ご覧ください。

分配金なしの投資信託の仕組み

このような、分配金無しの投資信託にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
次章では、分配金無しの投資信託のメリット、デメリットを解説いたします。

分配金が無い投資信託のメリット、デメリット

本章では分配金のメリットとデメリットをご紹介していきます。

分配金がない投資信託のメリット
・分配金ありの投資信託と比較し効率の良い運用ができる
・税金の繰延効果がある

分配金がない投資信託のデメリット
・定期収入が受け取れない

それぞれ解説していきます。

分配金が無い投資信託のメリット

分配金ありの投資信託と比較し効率の良い運用ができる

分配金が無い投資信託のメリットの1つ目は「分配金ありの投資信託と比較して効率の良い運用ができる」という点です。

前章でも解説したとおり、分配金が無い投資信託では、「決算時に還元するはずの分配金をそのまま運用元本に乗せる」ということになります。すなわち、分配金を出している投資信託と比較すると運用元本が大きくなるのです。

下記は、分配金ありと無しの投資信託の基準価額を比較した表になります。

分配金あり・なしの投資信託の基準価格の比較
【出典・ちばぎんブログより】

このように分配金が無い投資信託は効率の良い運用ができるのです。

税金の繰延効果がある

分配金が無い投資信託のメリットの2つ目は、「税金の繰延効果がある」という点です。

投資信託は分配金を出す際に通常20.315%の税金が課税されてしまいます。しかし、分配金を出さない投資信託ではこの課税は無く、分配金として出すはずだった利益を丸ごと元本に組み込んで再投資を行うことができるのです。このように分配金が無い投資信託では税金の繰延効果が期待でき、効率的な運用を行うことができます。

★【補足】NISAやつみたてNISAでは分配金に課税はされない
上述したように、通常分配金には20.315%の税金が課税されてしまいます。しかし、NISAやつみたてNISAを利用している場合は分配金に課税はありません。ただし、分配金として投資家に配る分、分配金が無い投資信託よりも運用元本が少なくなるため、効率の良い運用とならない点は同じです。

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分配金が無い投資信託のデメリット

定期収入が受け取れない

分配金が無い投資信託のデメリットは「定期収入が受け取れない」ということになります。

投資信託はご自身の目的別に選択することが大切です。もし定期的な分配金を受け取りたいという目的があるならば、分配金が無いことはデメリットになります。目的別に投資信託を選択しましょう。

分配金が無い投資信託がオススメの人、オススメしない人

本章では分配金が無い投資信託がオススメの人、オススメしない人をご紹介していきます。
実際に自分は分配金が無い投資信託に投資するべきなのか確認してみましょう。

分配金が無い投資信託がオススメの人

資産形成の時間を長く使える人

分配金が無い投資信託がオススメの人は、例えば若い方など資産形成の時間を長く使える人です。

前章でご紹介した通り、分配金が無い投資信託のメリットとして、「効率の良い運用ができる」「税金の繰延効果がある」ということが挙げられます。このメリットは、投資期間が長ければ長いほど最大限に活かすことができます。つまり、資産形成の時間を長く使えることができる若い方は、分配金が無い投資信託をとても効果的に運用することができるのです。若ければ若いほど資産形成の時間を長く使えるので良いですが、若い方でなくても10年20年と運用期間を長く取れば大きな資産を築くことができるので、分配金が無い投資信託に投資をしたい場合は早めに運用を始めましょう。

分配金が無い投資信託をオススメしない人

定期的な収入が欲しい人

分配金が無い投資信託をオススメしない人は、定期的な収入が欲しい人になります。例えば、ご高齢の方は資産形成に長い時間を取ることができません。そのため、分配金が無い投資信託よりも分配金があって定期的に収入を得ることができる投資信託がオススメです。ただし、分配金がある投資信託は大きな資産形成が望めないことに注意をしなければなりません。ご自身の目的毎に投資信託は選択しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、分配金が無い投資信託の仕組みやメリット、デメリット、向いてる人や向いてない人をご紹介しました。最後に改めておさらいをしましょう。 

【分配金がある投資信託の仕組み】 

分配金がある投資信託の仕組み

【分配金が無い投資信託の仕組み】

分配金なしの投資信託の仕組み

【分配金が無い投資信託のメリット】
・分配金ありの投資信託と比較し効率の良い運用ができる
・税金の繰延効果がある
★【補足】NISAやつみたてNISAでは分配金に課税はされないが元本を効率よく運用したい場合は、分配金が無い投資信託が勝る

 

【分配金が無い投資信託のデメリット】
・定期収入が受け取れない

 

【分配金が無い投資信託がオススメの人】
・資産形成の時間を長く使える人

 

【分配金が無い投資信託をオススメしない人】
・定期的な収入が欲しい人

本記事をご覧になった皆さんがご自身の目的に合った投資信託を選択でき実際に投資を実践できると幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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